自己と他者、評価のバランスを考える

職場の心理

誰かに見られていると仕事が捗る

やらなきゃならないと思っているのに、どうしても集中出来ない時ってありますよね。

例えば仕事が立て込んでいるのに、どうしても仕事が手につかない。

一人でいると、スマホをいじったり、コーヒー片手に休憩したりと、気が付けば何もせず時間だけが過ぎていたという経験は誰しもあるのではないでしょうか?

そんな時、周囲に人がいれば、無理にでも仕事をしている振りをします。

他者評価・・・怠けていると思われたくない、きちんと自分は出来ていると思われたい気持ちが、人前で集中する振りにつながるのです。

 

受験生が自宅の自室という一種の閉鎖空間ではなく、あえて騒音の多いファミレスや人の多い図書館で勉強したり、必要なツールは職場や自室のほうが揃っているはずなのに、あえてコーヒーショップを利用して作業したりするのも、ある種他人の視線を利用して緊張を維持することに目的があったりします。

一見すれば集中できる環境にはないはずなのに、当人からすればそういった環境に身を置くほうが、何となく落ち着いて作業が捗る気がする。

上司がいないと仕事をサボる

ところで、同じ他人の目でも、上司がいると仕事に打ち込む振りをするのに、上司が出張や外出で不在になると、とたんにネットサーフィンやおしゃべりに興じる人がいます。

上司が不在になると、職場の緊張感は緩みますからね。

緊張の緩和、これ自体はまったく悪いことではありません。息抜きって大事です。

しかし、中にはまるで、それまでとは別人のようにサボる人が出てきます。そんな同僚の振る舞いに怒りを覚えつつ、上司がこんな同僚の実態を知らないことが腹立たしく、真面目に働く自分が虚しくなるという人は少なくありません。

他者評価を気にしすぎる

上司から高く評価されたいという気持ちは、仕事に取り組む上で高いモチベーションを維持することにつながります。

しかし、他者評価を気にするのであれば、同僚ではなく上司の目をより強く意識するのはなぜなのでしょうか?

心理学的には、自己評価が低い人ほど、他人が自分をどう思うかという他者評価を気にする傾向にあるそうです。

他人から評価を受けることによって、低い自己評価を上げようとするからです。そのため、他者評価も同僚からの評価より、地位が高く、権力も大きく、昇進昇給などに影響力を持つ上司からの評価を強く意識するのです。

背景にあるのは、その人のコンプレックス。

他者評価を得る目的は自己評価を高める為であり、それ自体が仕事において何かに活かされるというわけではありません。

どんな人でもスランプがあったり不振があるものです。

私たちは、自尊心を保つために自己評価を高く維持しようとします。そのため、自己評価が低いと意識している人は、無意識のうちに、他者から評価されることによって間接的に自己に対する評価を高めようとします。一種の防衛本能ですね。

今日はあれをやろう、これをやろうと意気込んでいても、いざ取り組む時間が近づくと他にやりたい事が出てきて結局手付かず、「あぁ、何やってんだろ」と自己嫌悪を感じてしまい、これではダメだと改めて決起しても、また・・・・・あぁ・・・。

 

自己啓発は簡単ではありません。ただし、それが自分の性格、性根なんだと思っていても何も変わりません。

時に強いコンプレックスの解決には、根源的理由の解消が必要だったりします。

心療内科でカウンセリングを行っている知人の話によると、ここ数年はそういった事で相談に来られる方が多いそうです。

自分が気付かない、気付かない振りをして自己評価を下げる要因となっているものの発見には、他人の意見が必要なのかもしれません。